初めての方でも安心◎本位牌の選び方と作り方を徹底解説!
2024/09/23
一般的には、四十九日までに本位牌を作る必要があります。本位牌の作製には店によって数週間かかる場合があり、葬儀のときに作成する白木の位牌は、本位牌ができるまでの仮のお位牌になります。本記事では、位牌の選び方から、位牌作りの流れ、どのように注文するといいかについても詳しく解説します。位牌は故人を偲ぶ大切なものだからこそ、信頼できる仏壇店に作製を依頼し、注文時のミスや、仕上がりに後悔がないよう、確認をしながら進めましょう。
目次
位牌作りを始める前に知っておくべき基本
位牌とはそもそも何のために作るの?
位牌を注文する前に、まず基本となる知識を押さえておくことが重要です。位牌は、亡くなった方の霊位を象徴するもので、仏教においては、故人の冥福を祈り、供養を行うために安置されます。いわば、故人の魂が宿る場所であり、私たちが手を合わせる対象となります。
位牌にはどんな情報を刻むの?
①戒名: 出家するときに仏様から授かる名前です。故人の魂が仏の世界に生まれ変わった証として、位牌に刻まれます。
②俗名: 生前の名前です。戒名とともに刻むことで、故人の人格や思い出を偲ぶことができます。
③没年月日: 亡くなった年月日です。故人の生きた証として、位牌に刻まれます。
④没年齢(数え年の場合が多い): 亡くなった年齢を数え年で刻みます。
位牌を作る目的は?
位牌を作る最も大きな目的は、故人の冥福を祈ることです。 位牌は故人の魂の居場所であり、位牌に手を合わせることで、故人の霊を慰め、安らかな眠りを祈ります。また、位牌として先祖の霊を祀ることで、先祖が繋いできてくれた命に感謝し、子孫繁栄を願います。また、家族みんなで位牌に手を合わせることで、家族の絆を深めることもできます。
位牌の種類について
大きく分けると、伝統型位牌と、モダン型位牌があります。(その中間となるデザインもあります。)伝統型位牌の特徴は、昔ながらの黒い漆塗りと金箔のコントラストが美しい、存在感・重厚感のある位牌です。モダン型位牌は、木目を美しく活かした、洋室にも合うシンプルでミニマムなデザインが特徴です。どちらの種類も、価格のお手頃なものから高級なものまで、幅広くあります。
位牌を作るタイミングは?
一般的なタイミング:四十九日までに
一般的には本位牌に戒名などの情報を刻印して完成させるには数週間かかります。そのため、葬儀までには間に合わないので、白木位牌と呼ばれる仮の位牌を用意し、葬儀を執り行うことが多いです。その後、本位牌を作成し、四十九日法要までに仏壇に安置するのが一般的です。四十九日法要までに本位牌を作成し、魂入れを行います。魂入れとは、故人の霊魂を位牌に迎え入れる儀式のことで、お寺さまに読経していただきす。
事情により遅れて作る場合
事情により四十九日には間に合わない場合もあります。例えば、戒名授与には時間がかかる場合があり、それにより本位牌の作成が遅れることがあります。また、葬儀などに費用が掛かるため、 経済的な理由で、すぐに本位牌を作成できない場合もあります。あるいは、位牌の作製には、どんな位牌を選ぶかや刻印の表記方法など親族の相談が必要な場合もありますが、親族の都合が合わず、本位牌の作成が遅れることもあります。いずれにしても、四十九日より遅れてしまう場合は、できるだけ早く本位牌を作ってあげるといいでしょう。
どんな位牌を選べばいいの?
位牌の大きさはどうやって決める?
位牌の大きさは、仏壇の大きさや、他の位牌とのバランスを見て決めるのが一般的です。他の位牌がある場合は、その位牌に大きさや形を揃えて作ると、見た目がきれいに揃いますので、他の位牌のサイズを測り、写真を撮っておき、仏具店に相談すれば、同じサイズとデザインの位牌を選んでくれます。ちなみに、他の位牌と揃えなければならない、というルールはありませんので、違うデザインのものを選んでも構いません。他の位牌がない場合は、仏壇の上段に位牌を置いたときに、天井までの高さの1/3~1/2ぐらいの間の高さのものがバランスがいいと言われていますので、参考にしてください。
「伝統型位牌」はどんな特徴の位牌?
位牌を選ぶ際、伝統的なデザインの位牌と、モダンなデザインの位牌のどちらにするか迷う方も多いでしょう。それぞれのタイプに、特徴的なメリットとデメリットがあります。伝統型の位牌は、漆塗りで黒い光沢を出したものに金箔で装飾したものが最も一般的で、黒檀・紫檀などの重厚感のある銘木が使われているものもあります。よって、色味は、黒や濃い茶色など、落ち着いた色合いが多いです。また、台座の形が複雑なものが多く、蓮型の台や、波のような彫刻が施されているため、見た目が豪華で高級感があるのが特徴です。
「伝統型位牌」のメリットとデメリット
伝統的なデザインは、格式高く、故人を敬う気持ちを表すのにふさわしいとされています。お仏壇に置いても、その存在感が際立つので、常に故人の存在を感じていたい、故人に敬意を表したい、という場合には伝統型位牌がおすすめです。デメリットは、モダンなインテリアの仏壇やお部屋には、伝統的なデザインの位牌が合わない、もしくは際立ちすぎる場合があります。また、似たような見た目でも、品質がいいものと悪いものが市場に出回っているので、ネットで購入する場合、写真だけでその品質を確認することは極めて困難ですので、注意が必要です。
「モダン位牌」はどんな特徴の位牌?
モダン位牌は、シンプルで直線的なデザインや、抽象的な模様を取り入れたデザインなど、多種多様です。従来の黒檀・紫檀などの木材に加え、メープルやウォールナットなど、洋風のイメージの強い木材も使用されます。透明感のあるガラス製の位牌もあり、より現代的な雰囲気を出します。色も多種多様で、黒、ワイン色、暗い茶色、明るい茶色、などのシンプルな色合いだけでなく、赤や紫、緑などのカラフルなデザインのものもあります。桜や紅葉などの蒔絵が施されているものもあります。
位牌を作製する手順
①仏壇仏具店への相談
位牌の作成は、仏具店に依頼するのが一般的です。仏具店では、様々な種類の位牌を取り扱っており、経験豊富なスタッフが丁寧に相談に乗ってくれます。店頭で実際の位牌の雰囲気や質感、サイズ感を確かめて選ぶと安心です。大阪府で位牌作製の際には、店頭に展示してある位牌の種類が豊富で、専門の知識を持ったスタッフがいる専門店を選んで作製を依頼すると安心です。
②事前に準備しておくこと
一般的に、位牌を作製する際には、「戒名」「没年月日(亡くなった年月日)」「俗名(生前のお名前)」「没年齢(亡くなった年齢)」の4つの情報が必要です。仮の白木の位牌の表と裏に記載されている情報を、写真を撮るかメモしてから、仏具店を訪問するとスムーズです。宗派も併せて伝えると、位牌作製の形式に間違いがないか確認できます。宗派によって文字の書き方が異なるためです。また、大体の予算があれば伝えておくと、それに合わせた位牌を紹介してもらえます。もし、他のご先祖様の位牌がある場合は、デザインや大きさを参考にすると良いでしょう。
③位牌の作成
位牌の作製には、彫刻内容の原稿を作成し、それを基に職人が文字彫りを行う場合が多いです。したがって、注文の時点で原稿の内容に間違いがないかどうかしっかり確認しておきましょう。特に戒名や俗名に旧字や外字が含まれている場合は、原稿の表記に間違いがないか、念入りに確認することが大切です。宗派によって、戒名や没年月日の書き方などが異なりますので、その点も注意しましょう。また、納期の確認も大切です。位牌の作製には、通常2週間程度かかります。急ぎの場合は、仏具店に相談してみましょう。
位牌が増えてきた場合はどうする?
位牌が増えることで生まれる悩み
ご先祖様への感謝の気持ちから、ご自宅に位牌を安置されている方も多いでしょう。しかし、年月が経つにつれて位牌の数が増え、お仏壇のスペースが狭くなってしまったり、整理整頓に困ったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。位牌が増えることで生まれる悩みは様々です。お仏壇が手狭になり、新しい位牌を置く場所がないこと、複数の位牌の整理や掃除が大変であること、また精神的にも位牌が増えることで、管理の負担を感じてしまう、などといったケースがあります。そこで今回は、位牌が増えた場合の具体的な解決策として、夫婦位牌、回出位牌、永代供養の3つの方法について詳しくご紹介します。それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、ご自身の状況に合った方法を選ぶためのヒントを提供します。
①夫婦位牌にする
夫婦位牌とは、文字通り、ご夫婦二人分の戒名を一つの位牌に刻むものです。従来、一人ひとりに位牌を用意するのが一般的でしたが、近年では、スペースの節約やご夫婦で一緒に過ごしてほしいという想いから、夫婦位牌を選ぶ方も増えています。メリットは、スペースの節約だけでなく、一つの位牌に二人の情報がまとめられるため、孫やその次の世代になっても、この二人が夫婦であったことがわかりやすくなります。浄土宗の一部のお寺様では、夫婦位牌を認めていない場合がありますので、事前に担当のお寺に確認すると安心です。
夫婦位牌にする2つの方法
1つは、夫婦どちらか先に亡くなったタイミングで、もう片方を空けて文字を彫っておき、配偶者の方が亡くなったら空けて置いた場所に文字を彫り足す、という方法です。もう1つは、夫婦どちらかが先に亡くなったタイミングではとりあえずその方1人のお位牌を作っておき、配偶者の方が亡くなったタイミングで、2人の名前を入れた夫婦位牌を新たに作る、という方法です。位牌の作製を依頼する仏具店に相談するといいと思いますが、基本的には後者の方法がおすすめです。前者の方法のデメリットは多く、残った方が「自分の分を空けておかれるのは待たれてる感じがして嫌」ということが多い点、あとでもう1人の分を彫り足す時に字が完全には綺麗に揃わない点、ご夫婦のお亡くなりになるタイミングが10年以上ずれたりすると位牌自体が古く傷んでおり彫り足す際に欠けてしまったりする可能性がある点、などが挙げられます。後者の方法のデメリットは、位牌をもう一本購入する費用がかかる点です。しかし、あとで文字を彫り足すのもある程度高額な費用がかかりますので、費用面も確認したうえでどちらの方法を選択するか、ご検討されることをおすすめします。
②回出位牌にする
回出位牌(くりだしいはい)とは、複数の故人の戒名を、一枚一枚の札板に書き込み、それらをまとめて収納できるタイプの位牌です。位牌本体の中に、札板を収納するためのスペースが設けられており、回出位牌の種類にもよりますが、このスペースに7~9人ほどの故人をまとめておまつりすることができます。多くの位牌を一つにまとめることができるため、お仏壇のスペースを有効活用でき、お仏壇がすっきりします。また、複数の位牌を個別に管理する手間が省け、お掃除なども楽になります。注意点としては、回出位牌は位牌が増えてきたときに、古い方から順番に回出位牌に入れていく、ということです。亡くなられて間もない方をいきなり回出位牌に入れることはできません。
③お寺で永代供養する
永代供養とは、ご遺族に代わって寺院が、そのお位牌を永代にわたって管理し、供養を行うことです。つまり、位牌の管理や継承を寺院に委ねることで、ご遺族は永続的な供養を確保することができます。増えてきたお位牌の中で、古い方の分の今後の供養をお寺に依頼するイメージです。初期費用や永代使用料など、お位牌の永代供養の費用形態は、寺院ごとに異なりますので、ご自身の宗派のお寺に費用面も含めて一度相談してみることをオススメします。また、永代供養を依頼した方の分はお位牌自体を処分することになりますので、お位牌による情報の確認ができなくなります。必要に応じて、お位牌に記載されている情報を過去帳やノートなどに記録しておくと安心です。